目を合わせないことは漠然とした不安を与える
人間関係がうまくいかない時に、そのきっかけになっている可能性があるのが、目を合わせて話してくれないから、というものです。これは、自分の方が目を合わせられない、ということですね。日本だけでなく、世界的にもアイコンタクトはとても重要なコミュニケーションの一つです。目を合わせずにコミュニケーションをとろうとすると、相手は不安を覚えます。
この不安が人間関係の悪化の火種となります。不安が少しずつ、毎日のコミュニケーションの中で蓄積していくと、何か悪いことがあった時に、一気に噴き出し、人間関係が一挙に悪化します。「あの人、目を合わせてくれないしさぁ。」のように、陰口の元となってしまい、目を合わせないこと自体は関係ないのに、さもダメな人のように印象づけられてしまいます。
漠然とした不安を相手に感じさせることが、如何に害悪かを意識しましょう。そして、目を合わせないということは、人間という生き物のほとんどの人に漠然とした不安を与えるということも理解しましょう。
しかし、目を合わせることが苦手な人にとっては、目を合わせることが非常に苦痛であることもしばしばです。そこまで苦痛でなくても、反射的に相手の目から反らしてしまうという人もいるのではないでしょうか。
そんな人にお勧めの行動が次に紹介するものです。
目ではなく鼻のあたりを見よう
目を合わせることが苦手な人は、相手の顔を見ることができれば、O.K.と理解しましょう。相手からすると、それだけで不安を感じません。つまり、目を見なくても、顔の一部を見ることができれば、漠然とした不安を相手に感じさせずにすみます。ということは、人間関係の悪化を防げる、あるいはこれまでの悪化の原因を改善し、人間関係がうまくいくきっかけになり得るわけです。
では、具体的に顔のどこを見れば良いかというと、鼻のあたりが不自然さがほとんどなく、お勧めです。あるいは鼻と唇の間(鼻唇溝)でも良いです。実際に家族や友人などで試してみてほしいのですが、鼻のあたりを見ていても、相手からすると目を見られていると感じます。距離が近くなればなるほど、違和感が出やすくなりますが、通常のコミュニケーションでそこまで至近距離になることはないので、問題ありません。
いざ鼻のあたりを見ようと始めてみると、最初はどうしても目を見てしまうかもしれません。これまでの習慣で、相手の顔を見ると目を見るように自分の目の動きがインプットされているからです。ですので、慣れるまで多少の時間がかかりますが、慣れてしまえば自然と相手の鼻のあたりを見るようになってきますので、続けてください。
鼻のあたりでもプレッシャーが強くて難しい、という人は、両耳のどちらかを見るようにしてみましょう。耳の辺りでも相手からすると目を見ているように感じます。鼻のあたりを見るよりもプレッシャーが少ないので、こちらもお勧めです。
ただし、耳の場合、鼻のあたりよりもさらに長い距離で違和感を感じやすくなります。場合によっては、多少近づいただけで目を見て話しているというよりも、顔の右や左側を見られているということに相手も気付いて違和感を感じる可能性があるため、その点には気を付けてください。
目を見て話すのが苦手な人は、この鼻のあたり、あるいは耳を見てコミュニケーションをとるということを、一日0.1%、約1分間分くらいから始めてみてください。一日の全てのコミュニケーションを改善しようとしても、いきなりは上手くいきません。少しずつ、一日0.1%ずつの改善を心掛けて始めてみましょう。
また、このように相手の目を直接見ずに、鼻のあたりを見るようにすると、相手へのプレッシャーも多少ですが低減されます。これを利用して、初対面や交渉などで、相手に柔和に当たりたい時などに活用できます。つまり、相手に優しい印象や害を為さないという印象を与えやすくなるので、こういった効果も期待できます。
相手が違和感を感じない距離で行えば、もちろん、普通に目を見て話すのと同じように安心感を以てコミュニケーションが取れます。目を見ることが苦手な人、相手にプレッシャーを与えたくない人は、ぜひ試してみてください。